年頃の娘は、家に知らない人が来るのを好まないため、家の塗り替えをすることは直前まで黙っておいた。
家の塗り替え当日
私、「今日から、家の塗り替えをするから」
娘、「えー、前もって言ってよ」
前もって言っても、文句は言われるだろう。
私が仕事から帰って来るのは夕方6時、娘が学校から帰って来る夕方5時は、もしかしたら、家の塗り替えを行う業者さんが居るかもしれないことを娘に伝えると
娘、「えー」
私が気掛かりだったのは、業者さんが居なくなるまで、娘が家に帰れないこと。
しかし、仕事を終え家に帰ると、部屋に明かりが付いていた。
私、「ただいま」
娘、「・・・」
娘の「おかえり」が無いのは、いつものこと。
私、「帰った時、業者さんは、まだ居た?」
娘、「うん」
私、「何か言われた?」
娘、「ううん」
私の仕事は週休二日、仕事が休みの土曜日、家の塗り替えをしてくれている業者さんに挨拶をすると、娘のことを褒められた。
私とは、ろくに口を利かない娘を褒めてくれたのは、社交辞令?
挨拶を終え、娘のいるリビングで業者さんの働きぶりを見ていると
娘、「業者さんに出す、お茶菓子がないわよ」
私、「お茶菓子なんて出さなくて良いよ」
娘、「家のリフォームをした時には、ママはお茶菓子を出したよ」
私、「ママのことを覚えてるの?」
娘、「うん」
私、「ママは、どんなお茶菓子を出したか覚えてる?」
娘、「うん」
そのお茶菓子を買いに、娘と出掛けた。
娘と二人で出掛けたのは、あの時以来初めて。
業者さんが褒めてくれたのは、学校から帰った娘が、業者さんにお茶を出していたから。
塗り替えのために足場が組まれているため、それを使って家の屋上に上がり、星を見ながら娘が良い子に育っていることを妻に伝えた。